来年の舞踊団公演の音楽制作①
バイレの為の練習ではないエンサージョ
昨日は、来年の舞踊団公演の音楽制作の為にカンテの有田さん、ギターの菅沼さん、パーカッションの容昌さんがスタジオに来て、エンサージョを行いました。
エンサージョと言っても私は踊らず。
生徒もおらず。
バイレの踊る練習(エンサージョ)ではなく、音楽を作る為のミュージシャンたちのエンサージョです。
バイレが振付を用意して、
「サリーダがあって、1歌、その後ファルセータで、ジャマーダして2歌をください。
一旦締めて、エスコビージャをやります。
途中、抜けたらタパください。
で、スビーダして、ジャマーダしたらブレリア。
ブレリアの歌は2つ。
で、ハケ」
とミュージシャンたちに伝えて踊り、踊りに合わせてミュージシャンたちに演奏してもらうというのが、割りと一般的なバイレ・フラメンコのやり方です。
でも、今回はそれとは違う進め方をしました。
音楽に関しては、ミュージシャンの方が良く知ってる
踊りが好きで踊るフラメンコを始めたというバイレの人は多い。
一般的だし、そういう人が一番多いかと思います。
一方のミュージシャンたちは、音楽が好きだから音楽やってる。
私たちは、踊りと音楽はセットだから音楽に興味を持ち始めたり、歌やリズムの勉強を始めたりする。
あくまでも踊りに軸がある。
でも、ミュージシャンたちは『踊りの為』とかでなく、そもそも音楽が好きだから音楽をやる。
私はミュージシャンたちとフラメンコの話をする度に、音楽に関しては、彼らの方が良く知ってるし、故にアイディアも沢山持ってると思うことが多い。
当たり前ったら当たり前。
だって、踊りに関しては、私の方が彼らより良く知ってる。
彼らが私より音楽を知ってても当たり前。
餅は餅屋
「私より音楽を知ってる人たちに、私の示す構成に縛られることなく、音楽を作ってもらったら、どんなのができるだろう」
それにすごく興味がありました。
だから、
「私が構成を作ったのに対し演奏するのではなく、自分たちの好きなように作ってみて。私は分数たけ指定するけど、歌がいくつとかも指定しない。あなたたちの作ったのに対し、振付をするから」
と伝えました。
でも、そうしたところ、
「それじゃ、カラオケじゃないか」
「踊りが指示してくれなきゃ、何をどうしたらいいか、こっちだってイメージ湧かないよ」
と、最初は軽く抵抗を受けました。
軽くなんだけど、有田さんや菅沼さんって、強いじゃない。
意思が強いというか、上から来るというか、有無を言わせない感じがする。
彼らの中に、『これがいいもの』という白か黒かというものがあって、それがはっきりとあるから、思わず、自分がやりたいことをNOと言われると、それを取り下げてしまいそうになる。
でも、『普通』と違うことをすると、抵抗を受けるのはよくあることで、そんなことに日和ってたら、公演なんてやれない。
自分の中のYESを相手がNOって言っても、自分の為にYESを譲ってはいけない。
なぜなら、自分に嘘をつくことになる。
自分に嘘をついてまでして、公演をやる意味がない。
それなら、他の人の公演に出演するのと変わらなくなってしまう。
それに、有田さんも菅沼さんも、色々言いながらも、私がやりたいこもは何としても具現化しようと頑張ってくれる人たちってことを、私は知ってます。
そして、いい感じに柔らかい容昌さんが話をまとめてくれるのも、私は分かってました。
一番良くないのは、自分のやりたいことをはっきり持たないこと。
これは、自分のパワーを弱らせるし、相手のわがままを聞く度量のある人たちから、その力を発揮させる場を奪うことになる。
それって、相手を信頼してないってことにもなる。
私、昨日は譲りませんでした。
もうね、理屈では彼らに敵わないのを私は知ってるので、
「カラオケにならないから、大丈夫だから」
と説得にもならない説得で彼らを煙に巻き、
「いいからやって」
とわがままを押し通し、やってもらいました。
私は理屈ではなく、直感で決めていくタイプなので、理屈では説明できない。
だけど、私たち、昨日、いいチームワークを発揮したと思います。
私が直感のままに指示出して、その良く分からないものを3人の男たちが現実的なものにしてくれました😘
「え、何がしたいの?」といぶかしがってた3人も、実際に音楽作り出したら楽しかったようで、
「ギター、そう締める?じゃ、最後にこの歌にしたらかっこよくない?」
とアイディアが出てきたり、私の方も彼らの演奏を聞いてたら、
「そこは明るい歌じゃなくて、暗くしてほしい」
と割と明確なリクエストが出てきて、
菅)「じゃあ、有田さん、コプラの歌、何か持ってませんか?」
有)「これなんてどう?」
容)「じゃあ、この音を入れるよ!この音と一緒にバイレも終ってくれるとカッコいいよね!」
って、出てくる出て来る!
キャリアも、知識も、実力もある方々なので、引き出しにネタがいっぱい。
新しいものを覚える必要はないんです。
あるものを上手く使い、良いものを作れたらいい。
中々の対策の曲も出来上がったように思います。
私はオーソドックスなフラメンコを愛してます
とは言いつつも、私は普通のフラメンコを愛してます。
「普通って何?」ってとこですが、典型的、伝統的、正統派、古典的といった言葉から連想できるフラメンコです。
カンテとギター、パーカッションだけ。
すごく好きです。
バイオリンやピアノ、その他の楽器が入ったりするのも嫌いじゃない。
結構好き。
でも、シンプルなものもすごく好き。
とってもフラメンコな感じがするから。
有田さんも、菅沼さんも、容昌さんも、やったらフュージョン的なこともできる人たちですが、
「あなたたちの好きに作ってみて」
とリクエストしたら、私の好みとかなり近い、愛すべき定番のフラメンコを作ってました。
でも、普通だけど、普通の中に洒落たとこもあって、カッコよくて、そのひと味違うところが、私のアイディアという足枷を外したことで出来てきたように思いました。
やっぱり、餅は餅屋。
ということで、舞踊団公演、有田さんが担当するヌメロの音楽が決まりました。
これから、振付に入ります。
郷子さん組のエンサージョは今月末の予定。
11月、12月は大忙しです。
遊んでる間がなくなりました。
でも、上手~く生徒の目を盗んで、遊びまわりたいと思います(*^^)v
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