『楽しむ』以上を求めるならば…
フラメンコ教室に入会して、フラメンコを習い、もちろん、「フラメンコを上手に踊れるようになりたい!」とは誰でも思うことでしょう。
ただ、何事にも代償はつきもので、上手くなる為には、上手くなる為の何かをしないとなりません。
週に1回90分なり75分のレッスンを受けに来ていただけの自分では、「できるようにはならなかったこと」、もしくは「もっと時間がかかったこと」ができるようになるには、次のようなことを取り入れるといいと思います。
自主練
スタジオをレンタルし、一人で練習することです。
特にサパテアードの練習は効果的です。
何故ならサパテアードの練習は、他の人と行うと、自分の音と他人の音が混じり、自分の音が聞こえないからです。
自分だけの音を聞き、上手くできていないことに気付く必要があります。
気付けば良くしようと思うことでしょう。
でも、他の人と練習していて、自分の音が聞こえなければ気付けないので、安心してしまいます。
ただ、それではソロは踊れません。
一人での練習はしんどい → クラスメイトと群舞踊るだけで構わない
ソロで踊れるようになりたい → 一人で練習する
このどちらかしか選択肢はありません。
一人での練習はしんどい → だから一人で練習しない → でもソロで踊りたい
という選択肢は存在しません。
やってできなくないけど限度があるし、それには、ある程度の持って生まれた才能とか、若さが必要かと思います。
ソロを目指す人は、一人でのスタジオでの自主練を是非取り入れてみてください。
パルマ
これは文字で説明するのはとても難しい。
でも、レッスンではお伝えしていることなので、生徒さんには説明は不要かと思います。
うちの生徒さんではない方がこちらをお読みになり、意味が良く分からないようであれば、ご自身の先生に質問なさってみてください。
カンテCD・ギターCDを聞く
前述のパルマとほぼ同じ理由です。踊れるようになりたくて、踊りの練習ばかりしているより、急がば回れでフラメンコの音楽を聞くのが近道だと私は思います。
振付を踊るのではなく、音楽に合わせて踊るのです。
ただ、音楽に合わせて踊るにも、振付があった方が踊りやすいから振付があるだけです。
ダンスというのは、音楽に身体を揺らす為の手段であって、振付を踊ることが目的ではありません。
音楽が心や身体にないのに踊ることは至難の業です。
その音楽に馴染みがあれば、自然に身体は反応します。
騙されたと思って、聞き流すだけでもいいので、フラメンコの音楽を沢山聴いてみてください。
バレエのバーレッスン
フラメンコは、音楽的アプローチがまず第一にあるように思いますが、でも、身体を使って表現する者として、踊れる身体があったら表現の幅が広がりますし、何よりも視覚にうったえます。
フラメンコは洋舞なので、アンディオール(足の外旋)が必要となりますが、内股民族の日本人にとって、生まれながらに足がアンディオールしているというのは中々ないのではないかと思います。
無意識でも踊る時にはアンディオールしている身体づくりに、バレエのバーレッスンはとても有効です。
バレエのバーレッスンは単発でも参加できるのもあるし、料金的にも手ごろなのもあるので、試しにちょっとやってみたらいいと思います。
己を知る
それぞれの人はそれぞれの美しさを持っていて、それによって似合うもの、表現したいもの、できるものが異なります。
ただ、振付を踊るのではありません。
振付を間違えず正確に踊れたけど、私は美しくない
というのと、
振付は間違えたし、テクニカ的にも粗はあるけど、でも私は美しい
というのがあれば、どちらの自分で舞台に立ちたいですか?
振付を1つも間違えず、最初から最後まで正確に踊り切れることは殆どありません。
完璧というのは神の領域のもの。
人間は間違えるものです。
そんな無謀な完璧を目指し、心を閉ざし、音楽に身を委ねることを放棄し、ロボットのように踊ることのナンセンスさ。
正確であることは大事なことですが、そこにばかり気を取られず、もっと個性を出していきましょう。
あなたならではの美しさを探し、それをてらいなくドンドン出していきましょう。
その為には己を知りましょう。
ソロで踊る場合、振付は自分の踊り易いもの、自分の似合うものに変えてもいいのです。
習ったままに踊る必要はありません。
振付をした人にとっては似合う振りが、あなたにとって似合うとは限りません。
上級クラスでは、振付の変え方を教えたりしていますが、それをドンドン磨いていってください。
自分の似合うものは何か。
自分の美しさは何か。
何を前面に出していくと、自分らしさがでるのか。
それを知りましょう。
それを探求しましょう。
ないことはありません。
必ずあります。
「ない」と思うのは、自分いじめです。
自分の素敵なところを自分で認めないでいると、外からの承認で自分を満たそうとしますが、自分を自分で認めない限り、外からどんなに素敵だと言われても、それを信じることができないものです。
必ずあるので、自分の素敵なところをちゃんと自分で認めてあげてください。
自分という素材を活かす為にも、まず知りましょう。
バタやマントンで踊るのが似合うのか、ない方が似合うのか。
赤が似合うのか、青が似合うのか。
シンプルな衣装が似合うのか、飾り立てた衣装の方が似合うのか。
エレガントな雰囲気が似合うのか、敢えて芋臭さを出した方が似合うのか。
暗い曲が似合うのか、明るい曲が似合うのか。
12拍子が似合うのか、4拍子が似合うのか。
髪の毛はセンターで分けた方がいいのか、右寄り、左寄りがいいのか。
耳を出した方がいいのか、隠した方がいいのか。
美しい自分を前面に出すことって、実は勇気がいります。
でも、こういうところでは出すのです。
皆で出せば怖くありません。
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