自分に集中しなきゃ出せない力はある
明後日はいよいよ発表会ですね。
発表会の日の心構えをちょっと生徒さんにお伝えしたいと思います。
自分に集中しましょう。
この一言に尽きます。
それは、裏を返せば「他人のことは放っておきなさい」ということです。
他の人への配慮は必要です。
でも、それと、誰かの一挙手一投足を気にして、自分がお留守になるのは別物です。
でも、本番の日に限らないんですけどね。
レッスンの時でも、実は同じ。
他の人ができてて、自分はできてないのを気にするとか、
その逆で、
自分ができていることを他の人はできてないとか、
それ、どうでもいいことです。
他人なんて気にしないことです。
自分のやりたいことをやる。
自分がやるべきことをやる。
それを他人がちゃんとやってなくても、それはあなたには関係ありません。
その人の問題です。
気に掛ける必要はありません。
何故、「他人のことは放っておけ」と言うかと言うと、自分に集中する為には、他人に気を向けてる場合じゃないからです。
じゃあ、何故、自分に集中する必要があるのかって言うと、見ている人を惹き込む踊りって、自分に集中している人の踊りだからです。
要は、気が散っていては、いい踊りができないからです。
踊り以外のことでも、気が散ってて成功するものなんて何一つないですよね。
気力は有限。
自分の意識は自分に向けましょう。
他人に意識を向けていたら自分が空っぽになってしまいます。
それはとっても勿体ないです。
自分に集中することでもたらされること
自分に集中すると、その人を取り巻く空気が研ぎ澄まされてきます。
お客さんって、踊り手の醸し出すそういう空気感を見てたりしますよね。
更には、そういう状態じゃないと、聞こえてこない音はあると私は思っています。
集中している時には、繊細なギターの音、カンテさんの息遣い、サインを送るかのようなカホンの鼓動が聞こえてきます。
すると思考がストップし、ハートが動き出します。
頭で考えて『動いてる』だけの踊りと、心で感じて『自然と身体が動いた』踊りは全然違いますよね。
気が散ってたら、ハートは動きだしません。
緊張感のある張り詰めた空気感も醸し出せません。
でも、集中したらできる。
干渉と配慮
但し、「他人を気にしない」と「他人に配慮しない」は別物です
自分の順番が終わり、「あーーー、終わったーーー」と緊張の糸が解け、楽屋で騒いでしまうことは、まだこれから本番を控え、集中している人に対する配慮のなさです。
これは「他人を気にしない」というのとは違います。
大勢が集まるところなので、配慮はしてくださいね。
ちょっとした違いなので分かり難いかもしれませんが、でも、ここまでを読めば、私が何を言わんとしてるか分かりますよね。
人は誰でも失敗する権利を持っている。
振りを覚えてない。
立ち位置を覚えてない。
衣装を綺麗に着こなせない。
化粧も上手にできてない。
そんな人たちを見て、粗が気になる気持ちも分からないでもないですが、でも、それはその人の問題です。
本番の日は昨日、今日、決まったことではありません。
いくら初心者であっても、シージョを上手く付けられるように練習する時間はたっぷりありました。
化粧が上手くできなくても、これも練習する時間はたっぷりありました。
振付も、立ち位置も、覚えてくる時間はたっぷりありました。
先生にも幾度となくダメ出しされたことでしょう。
それでも、本番当日までそれができてないとしたら、その人が「それでいい」と判断してのことです。
それぞれの人がご自分に望むものは異なるので、それぞれの人の判断を尊重しましょう。
どんなに良かれと思ってやってあげたとしても、相手が望まないことは有難迷惑だってこともあります。
細かいことを言われたら息苦しくて楽しめない人もいます。
人それぞれです。
もしくは、どんなに頑張っても、その日までにできないことはあります。
それは仕方ないことです。
人間は誰でも失敗する権利を持っています。
すなわち、失敗から学ぶ権利です。
失敗しなきゃ覚えられないことはあります。
そして、習ったからってすぐにできることばかりじゃありません。
あなたができることでも、同じようにできる人ばかりじゃありません。
その人が失敗する前に手を貸してしまったら、その人が自分一人ではできない子になってしまいます。
その人が変わる機会を奪ってはなりません。
だから放っておきましょう。
放っておくことも愛です。
但し、その人がヘルプを出してきて、あなたが誰かを助ける余力がある時は助けて差し上げてください。
でも、余力がなければ頼まれても断っていいのです。
それは不親切なことではありません。
本番当日に自分に集中したいなんてのは、極々当たり前のことです。
自分ファーストでいいのです。
というより、自分ファーストです。
自分に集中です。
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