¿Dónde está la princesa? 10曲目ファルーカ
Farruca ファルーカ
¿Dónde está la princesa? 王女様はどこに行った?
束の間の自由。スペインの街。そこで知り合ったケン。
忘れ得ぬ想いを胸にホセリートへ嫁ぐ決意を固めたアン。そんな彼女の部屋に、警護の目を盗みケンが忍び込んできた!でも、アンはその手を取れなかった。彼女は国と国民の幸せのため、母国の危機を救うため、ケンへの想いを封印するのであった。
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いよいよ最後の曲、ファルーカです。
永田さんと私とで踊ります。
王女様であることを隠して街に繰り出し、そこでケンと知り合い、恋に堕ち、王女様でない時間を満喫したアン。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、ケンといるところをホセリートに見つかってしまい、連れ戻されてしまいます(ソレア・ポル・ブレリア)。
そして、ホセリートとの婚約披露パーティが催されることになり、二人の婚約は国中を上げての祝福ムードとなります(ルンバ、グワヒーラ)。
そんな明るい世間のムードとは裏腹に、アンの心は暗く、重いものでした。
控えの間にいるアンは、ケンを想いファルーカを踊ります。
そうしたところ、ケンが登場。
アンを連れ去りに来ます。
ところが、アンは自分の立場をわきまえ、自分の責任を知っていました。
ケンと逃げることを選ばずに、ケンのことはそっと胸にしまい、ケンの元を立ち去ります。
私は思う。
アンに、全く計算が働かなかったのかどうかと。
ケンと逃げて、その時は良くても、その後ずっと続く人生、上手くやれるのかどうかと考えたのではないかと思う。
王族に生まれたアンは庶民のようには暮らせない。
その術を知らない。
SPを付けずに電車に乗ったり、セキュリティのしっかりした家でなければ、身の危険もある。
地位のある人たちは、庶民なんかと比べられない程に身の安全に費用がかかる。
そんな生活を、果たしてケンと送れるのだろうか。
どうやって?
そして、アンがケンと逃げたところで、いつかは見つかってしまう。
その時に、ケンが無傷でいられるとは思えない。
自分のせいでボコボコにされるケンを見て、アンは心が痛んだ。
「私と関わらなければ、この人は他の普通の女の子と幸せになれる。
身分の違いに苦しめられることもない」
とアンは身を引いたのでした。
庶民は働かないと食っていけないけど、それ故に自分の足で立っていける。
だから、自由がある。
王族、貴族は、その地位を捨ててしまえば、経済的自立もなく、自由もない。
ただ暮らしているだけで、世間の好奇の目にさらされる。
自分で稼げること。
自立していること。
自由があること。
自分の人生の舵取りを他人に委ねることないって、とても幸せなことだと思います。
Una farruca en Galicia
amargamente lloraba
porque se le habia muerto el farruco
que la gaita le tocaba…
とあるファルーカ(ガリシア女)がガリシアで
さめざめと泣いていた
何故なら、ファルーコ(ガリシア男)が死んでしまったから
ガイタ(バグパイプ)を鳴らしてくれたファルーコが死んでしまったから
ファルーカの歌詞です。
旦那さんを亡くし、小さい子供を抱え、どうやって生きて行こうかとさめざめと泣いている女性。
稼ぎ手を失ってしまった己の哀れな身を嘆いています。
単純に、旦那さんが亡くなった悲しさだけで泣いてない。
アンは、好きな人と一緒になれないことが不幸なんじゃない。
誰かに依存しないと生きて行けないことが不幸なんだと思います。
ファルーカのこの歌を聞くと、女の業を感じます。
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