劇場公演の視覚的な効果
写真がちょっとずつ納品されてきました。
映像も、まだ見てないけど、今日の昼間に届きました。
本番の写真や映像を見て初めて知る、
「ああ、こうなってたんだ」
ってことが沢山あります。
特に照明。
今回の舞台は、ゲネを2回行いました。
1回目は私は客席でガナリマイクを持って、出演者の踊りや立ち位置のチェックをしながら照明のチェックもしました。
「赤を使わないで下さい」
「ここはもっと暗い色がいい」
「ホリゾント幕の元の色が出ると安っぽくなるから、色を濃くして!」
等といった感じに照明さんに指示を出しました。
今回はバックアーティストの前に紗幕を垂らしました。
打ち合わせの時点で、この劇場が白紗幕はあるけど、黒紗幕はないことが判明しました。
ただ、私、白紗幕の場合と黒紗幕の場合の見え方がどう違うのか知りませんでした。
「黒はない。黒を使うならレンタルしてこないとならない」
というので、
「ならば、白でOK」
としたのですが、当日、現地に行って、
「そうか、私のやりたいと思ってた照明って、黒紗幕じゃないとできないんだ・・・」
とゲネで照明を見て判明。
「がびーーーーん😭」でした。
仕方ないので、1回目のゲネで即座に判断し、「あーして、こーして」と変更。
何事も経験だと思った。
12月は追加費用がかかってもいいから黒紗幕をリクエストしようと思った。
経験積まないと分からないことって多い。
行き当たりばったりだけど、でも、仕方ない。
さて、1回目での私の指示を聞いた照明さんがその場で修正できることもあるけど、それは少なくて、殆どは、宿題として持ち帰り、2回目のゲネ、本番で修正されていきます。
なので、私は完成形を見ないまま本番を迎えます。
それ故、こうやって写真を見たり、映像を見て初めて、「こうなったんだ」と知ります。
「私が舞台に出ないで、ずっと客席にいたら、出演者の踊りも、立ち位置(フォーメーション)も、照明も、その他も、もっとクオリティを上げれるんだろうな。もう一人、私が欲しい」
っていつも思います。
でも、私は舞台に上がり、踊ることを、まだ諦められない。
庸子先生は60歳で一応の現役を卒業したそうです。
そう考えると、私、まだまだ現役できる。
となると、他の人の力を借りないとならない。
フラメンコをやってるので、フラメンコに長けている人は沢山いる。
エミリオや雄輔さんと話してると、
「ええええ、そんな些細な音の違い、そんなに気になるの?
Σ(・□・;)」
って私が思うようなところを二人は気にします。
音への拘りが、彼らは私より100倍くらい強い。
だから、
「そんなのどうでも良くない?」
と私の基準で考えず、その点は彼らをリスペクトして、彼らの感性を借りると、作品は良いものになる。
でも、一人の人にできる限界はある。
一人の人が全てのことはできない。
音に敏い人でも、視覚に敏いとは限らない。
そういう人もいるけど、そういう人は別のところで疎い。
要は、人間は優れた点もあり、劣った点もあって、劣った点は気にせず他の人に任せ、自分の優れた点をドンドン世の為、人の為に使っていけばいいと私は思う。
チラシを自分で作っていて思ったのですが、フラメンコ歴が浅い生徒であろうと、チラシなどのレイアウトができる子がこういう舞台の演出は向いている。
チラシは2次元のもので、舞台は3次元のものだけど、要は、レイアウト。視覚的なもの。
フォーメーションで、
「その立ち位置が5センチ中央に寄ると綺麗」
だとか、
「その後ろの青が、もっと濃い方が綺麗」
だとかは、視覚的な拘りを持った人じゃないと分からない。
フラメンコは音はものすごく大事だけど、劇場公演となると視覚的なものも大事になる。
私が踊ってしまって、自分では見れない演目に関しては、まだフラメンコ歴も浅く、歳も20代と若い一人の生徒さんに演出を頼みました。
「えええ、私でいいんですか?!」
とその子は言ってましたが、逆に言うとその子以上にできる子はいないと思った。
その子は、チラシやプログラムのレイアウトも上手で、お化粧も上手だし、シージョの付け方、フローレスの付け方等の衣装の着こなしも上手。
所謂、視覚的な美的能力が高い。
写真を見て、「案の定!」と思った。
使える人を見抜いて抜擢していくのも主催者の務め。
これからも他力を借りながら、何とか舞台に上がり続けたいと思いました。
テアトロの舞台って面白い。
視覚的に拘れるところがタブラオより段違いにあるから面白い。
この経験を踏まえ、12月も素敵な絵を作っていきます。
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