初級クラスのアレグリアス(日曜)
「できないから自信をもてない」
そういうことは、もちろんある。
ただ、このクラスの生徒さんの場合、
「できないから自信がない」というより、
「自信がないからできない」という方が大きい。
できなくない。
だけど、できない。
なぜなら、自信がないから。
自信がないから、人を見ながら踊る。
人がやると自分もやる。
だから、ワンテンポ遅れる。
だから、できない。
自信がないと、不安になります。
不安になると集中できずに、気が散ります。
気が散ってるから、ミスも多くなり、できるものもできなくなります。
そうすると、益々、自分はできない子なんだと自信をなくします。
生徒さんを見ていて思うことは、自信の有無しに根拠はない。
振付を習ったその日に上手くできないのも、間違えるのも当たり前。
自信のある子は、上手くできないことも、間違えることも気にしません。
「習ったばかりだから当たり前」
「できるようにがんばろ!」
と心が軽い。
自信のない子は、
「自分ができない子だからできないんだ」
と空気が重い。
自信がなくてできない子たちに、
「稽古場では人を見て踊るな。
自分で踊って失敗した方が、人を見て、何となく無難に踊るより身になる」
と言いますが、中々その壁を超えれない。
気持ちは分かる。
でも、どうにかしないと。
獅子は子ライオンを谷に落としてみる。
「一人でやってみなさい」
と一人ずつやらせる。
頼る人がいない状況で、まだ踊り込みしてない状況で、皆が見つめてる緊張する状況で一人で踊らせる。
失敗する可能性は高い。
「失敗してもいいから、自力でできるだけやってみなさい」
とやらせてみると、すんなりできる。
良くできる。
人を見て踊るから、自信なく、おどおどして、怯えながら踊るからできないんです。
自信がなくても開き直り、破れかぶれでも自力で踊ってみると、あら、不思議。できる。
それがこのクラスの子たちの実力です。
できなくないんです。
身体能力とか、踊りの技術的にできなくないんです。
メンタルが弱いだけなんです。
でも、そのメンタルが踊りの良し悪しには大きく影響する。
踊りの技術は鍛えていける。でも、メンタルだけは自分でどうにかしないとできない。
私は生徒に、「できないんじゃないよ。自信なくやるからできないだよ」と伝え続けることしかない。
でも、その言葉は、自信のない人の心の核にはなかなか届かない。
メンタル強化は中々しぶとく難しい問題ですね。
それでも、「できないんじゃないよ。自信なくやるからできないだよ」と呪文のようにかけ続けると、レッスンが終わる頃に生徒たちは、自己否定という呪縛をやっと脱ぎ出す。
動画は、今日のレッスンの最後の方に撮ったものです。
シレンシオとエスコビージャはブラッソはまだついてません。
11月第2週からこの振付を始めて、順調にここまできました。
伸びやかに、晴れやかに、軽やかに、素敵にアレグリアスを踊れていると思います。
だから、「できない」という思い込みは捨てて、自信をもって踊ってね。
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