舞踊団公演「落花流水」生徒と私とゲストのファルーカ

(03)舞踊団公演

一番見るのが怖かったファルーカです(^▽^;)


https://youtu.be/Yc6x16e_y9M

「弟は自分の嫁を兄に脅されて譲る」
「女は愛する夫(弟)と別れさせられ、
気乗りしないままに、
その男(兄)の妻となる」
というシーンでファルーカを使いました。
ロイヤル・ファミリーの
兄弟間における 三角関係を描いた演目です。


ただ、その後、弟は兄を殺し、
兄の息子を殺し、元妻を取り戻します。
そこにクライマックスを持ってきたかったので、
あまり派手さや激しさを持ち味としない
ファルーカという曲を使いました。

タブラオのように、順々に出演者が出てきて、
一人一曲ずつ踊るのでしたら、
ずっと盛り上がる曲でもいいのでしょうが、
公演のように、1時間半から2時間の公演の中で
起承転結する場合、
ずっと盛り上がってたら、
それはそれで一本調子で、お客様を疲れてしまう。

どこか抑えるところも必要。

ということで、
ぐっと堪えた作りになってます。



出演は、
大海人皇子(弟)役でゲストの池森暢昌、
その妻・額田王役で私。
二人は愛し合い、子まで成した夫婦という設定です。

そこに額田に横恋慕した、
キチガ〇の変態・兄・中大兄皇子役としてドミンゴ。

どことなく、顔も体型も似ている暢とドミンゴ。
兄弟役にうってつけ(≧▽≦)



なんで、このファルーカを見るのが一番怖かったかと言うと、
やっぱり心配だったから。


結論から言ってしまうと、
暢やドミンゴは、
こういうストーリーがあって、
役柄を演じながら踊るというのに向いていると思う。

フラメンコを踊るのが上手ければできるかというと、
これはまたちょっと違う気がする。

その役柄になれるかどうか。
特性がある。

舞踊であり、芝居であり。



舞台というのは、特に、舞踊団公演というのは、
主催者側が踊り手には振付を、役者には台詞を用意し、
それを出演者に覚えてもらい、
その中で彼らの味を出してもらうという枠が存在する。

ところが、これだと暢の味が出ない。

普通は、題材を与え、
枠の中で活動することで安心できる人が多い。
でも、ノブはそうじゃない。
枠があると良さが出ない。

でも、明らかに才能はある。
こういうのに向いている。

枠を取っ払い、暢の良さを引き出すのは簡単。
けれども、一度、枠にはめさせてみたいと思いました。
その抑圧も、後の爆発には必要な過程となる。

暢だけじゃない。
私のとっても、ドミンゴにとっても、
ファルーカは、『抑圧』でした。



さて、
前回の公演でも、今回の公演でも、
生徒ではなく、ゲストとして出る人たちに、
如何に私の要望を伝え、
望むように動いてもらえるかが課題だと思いました。

暢とドミンゴですが、
ドミンゴは生徒だから、
「そうじゃないよ」「ちゃんと覚えてこいよ」
とずばっと言える。
でも、ノブは生徒じゃないから、中々そうはいかない。
でも言わないと作品が出来上がらない。


庸子先生の公演に出て、庸子先生の様子を見ていると、
あのカナーレス相手であっても、
「そうじゃないのよ。もっと、こんな感じなのよ」
と一歩も引きません。
仕舞いにはカナーレスがイラついてきて、
リアクションも大きく、
「センセ、何がダメなんだ。これでいいじゃないか!!!」
と怒り出すのですが、
それでも、庸子先生は飄々と、
「違うのよね~」
と納得するまで引きません。
そのこだわり、信念、強さ、尊敬しています。


庸子先生がカナーレス相手にそれができるなら、
私もゲストで出てくれた人たちに言えて然るべきなのですが、
中々言えず、
「皆さんのいいと思うようにやって下さい」
と逃げ腰になってしまう、
「私、弱いな。甘ちゃんだな」
と情けなく思ったりします。


今後の課題です。



ただ、ノブは優しい人ですね。

本当に優しい。

言いたいことがあっても言えず、
溜め込むが故に、
ドヨヨーーンとした臭いオーラを出しまくる私に対しても、
神経を逆なですることなく、
温厚でいてくれて、私は救われました。

「生徒と違って、
あまりゲストには言えない」
と言いつつも、それでも言ってたので、
すっかり暢には怖がられ、
距離を取られてしまっていますが、
その位で主催者(演出家)と出演者はいいのかな
って思うようになりました。
「お友達」になってしまうと、
お互いが苦しくなる。

何はともあれ、
中大兄皇子にドミンゴ、大海人皇子に暢というキャスティングは
大当たりだったと思っています。





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