舞踊団公演「落花流水」生徒と私のセラーナ
セラーナという曲は、あまり馴染みのない曲ですが、
シギリージャと同じコンパスを持つ、
変則5拍子の曲です。
シギリージャの強く、雄々しく勇ましい感じと違って、
メロディーが柔らかく、メランコリックで女性的。
ソレア・ポル・ブレリアとバンベーラの関係と似ている。
同じような速度で踊り、同じ12拍子、
だけど、雄々しく勇ましいい感じのソレア・ポル・ブレリアと
メランコリックで女性的なバンベーラ。
この曲を、2月の舞踊団公演のオープニングで
私と女子生徒2人が踊りました。
額田王が神の啓示を受け、
万葉集でもとりわけ有名な和歌、
「熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」
を唄ったシーンです。
私が額田王、女子生徒たちが巫女の役柄を演じています。
そして、踊りだけではなく、踊りを引き立たせて余りある程の素晴らしい音楽にもご注目下さい。
音楽監修をなさったギターの細川さんのアイディアを元に、
ギターの中川さん、パーカッションの容昌さん、カンテの森薫里さんが
この幻想的なセラーナを作って下さいました。
踊り手の私たち3人は、この音楽に引っ張られ、セラーナの世界に恋しました。
さて、シギリージャ系だけどシギリージャじゃないセラーナという曲に
私は、この時、初めて取り組みました。
シギリージャの歌と落ちるところも尺も異なったので、
元々あったシギリージャの振りを
セラーナの歌の長さに合わせて振付も長さを変えました。
また、シギリージャだと歌が終わると激しく強くレマーテを入れるのが
一般的ですが、セラーナでそれをするとセラーナの味と違ってしまう。
そんなのもバックアーティストたちに教えられながら、
シギリージャと同じパソを使っても、表現を変えたりしました。
とても勉強になりましたし、何より面白かったです。
フラメンコの面白いところは、
バックアーティストと共に作曲しながら
構成や振付、表現を作って行くところにあると実感しました。
オリジナルの振付はこちらです。
(オリジナルとは言っても、
私がこの振付を習った時のものとは随分変わっています。
うちの教室で世に出した最初のバージョンってことでのオリジナルです)
シギリージャを私と生徒6人で踊っています。
これをセラーナに作り替えました。
振りはほぼ同じでも、随分と印象が変わるのが分かると思います。
フラメンコって面白いですよね。
そして、照明による効果を出し、
絵的に美しいものを作り出せるテアトロ公演。
昨今はタブラオの方が盛り上がっていて、
テアトロに興味ないって人も多くて、
とても残念。
私はテアトロが好きです。
確かに、テアトロはお客さんとの距離が近いので
臨場感や音による迫力はあります。
でも、それとは違った魅力がテアトロにはあります。
音楽も、照明も、舞台構成も、何もかも時間をかけ作り上げて行く。
その過程で、共演する人たちとの絆も芽生える。
テアトロ公演、病みつきになります。
(写真撮影:近藤佳奈)
※こちらは、公演前にこの演目について書いたブログです。
https://ameblo.jp/moriyamamie/entry-12421718271.html
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