舞踊団公演 第一部⑤ 秀吉と寧々の舞 ガロティン
秀吉と寧々:ガロティン
愛する男の出世を助け、いつまでも寄り添う糟糠の妻・寧々の舞
秀吉が何も持たない頃から好きだった。
親が反対しても、駆け落ちしてでも一緒にいたいと願った。
秀吉の夢が出世であれば、それを陰から支え、
それが寧々の幸せでもあった。
けれども、いつでも一緒にいて、
こんなにも愛し合った二人なのに子供はできなかった。
天下を取る男に世継ぎは必要。
自分が産めないとなると側室を認めざるを得ない。
「秀吉の子供が生みたかった」。
夫の出世でも、贅沢な暮らしでもなく、
寧々の望みはとってもささやかなものだった。
愛する夫を他の女と分かち合うことの苦しさ。
でも、身体を分かつだけならいい。
お願いだから、秀吉の心までは奪っていかないで。
寧々は苦しかった。
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この演目は、
秀吉役のうちの生徒ドミンゴと、
秀吉の正室・寧々役のうちの生徒由美子さんが
パレハで踊ります。
なんとも爽やかで可愛らしいパレハです♪
脚本の下敷きとなるストーリーを考えたり、
こうやってプログラムに載せる演目の説明を書くに当たり、
私、それぞれの役柄の人の気持ちを想像してみたのですが、
どうも信長、秀吉、三成等々、
男性の役柄の気持ちはイマイチ想像できなかった。
だから、男子生徒に
「こういう場合、秀吉はどう思ってたんだろう?」
と言った感じで、男性の役柄の気持ちを聞いたりしてました。
けど、やっぱり、あまり良く分からない。
そもそも、なんで男はそんなに天下を取りたいんだ???
幸せになる手段としては、あまり適してないと思う。
それに比べ、女性の役柄の気持ちは、もう勝手にあふれ出てくる。
「寧々、辛かっただろうなぁ。
天下なんか取らないでいいから、
普通に秀吉と幸せになれれば良かったんだろうなぁ」
とか、
「側室に優しくしなきゃならない寧々って可哀相だよなぁ。
でも、それが正室としてのプライドなのかなぁ。切ないなぁ。
それでも、自分は他の女には負けない。別格って思ってたんだろうな。
それが茶々の登場によって揺らいだんだろうなぁ。
年を取ってから若い女に夫を盗られるってきついな~」
とか、
あれやこれやと女の気持ちは想像できる。
そんな私が作ってるから、どうしても女目線のお芝居になってます。
そんな中、信長や家康、三成に比べると、
益々、秀吉って何を考えているのか良く分からない。
ものすごく両極端な人で、とっても難しい人。
そんな難しい人をドミンゴが演じます。
実は、難しい人なんじゃないかと思われるドミンゴ。
適任です。
そんなキチガイの秀吉を愛し続ける寧々には、
いつでも笑顔を絶やさず、いつでも優しい由美子さん。
こちらも適任です。
それにしても、やっぱり男の気持ちは分からない。
自己チューで、
上から目線、
と思い気や、
優しさから出た行動だったり、
本当に意味不明。分かりにくい。
「私のこと馬鹿にしてるの?」と怒ってみると、
ただ何も考えてないだけとか、勘弁してよ。
益々むかついてくる。
逆にこっちが、「あんた、馬鹿なの?」って言いたくなる。
もっと分かり易く優しくしてくれれば、「ありがとう」って言えるのに。
寧々の秀吉に対する気持ちって、こんな感じだったんじゃないかしら。
「もう、本当に大っ嫌い。顔も見たくない!」
って思いつつ、でも、嫌いになれずにずっと側にいた。
光と影はセット。
光が強ければ、影も濃くなる。
人間同士は近付けば、他の人よりも好きなところが見つかる。
それと同時に、他の人よりも嫌いなところも見つかる。
好きなところが大きければ大きい程、嫌いなところも大きい。
大好きであればある程、大嫌いでもある。
好きなところだけしか見えないうちは、全然近付いてない。
これ、男女間に限らない。
寧々は秀吉の、
ものすごく強い光と、ものすごく濃い影を見たのでしょう。
ドミンゴがどれだけ、秀吉の光と影を表現できるか。
由美子さんがどれだけ、それでも秀吉を愛し続ける気持ちを表現できるか。
左が茶々役の私。
右が寧々役の由美子さん。
真ん中は、ドミンゴのリアル正室・美和ちゃん。
乞うご期待!
チケットのお問合せは
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または。
まで!
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