タイムリミットは12月18日です。

(03)舞踊団公演

例えば、高校生位の女の子がいて、

全身ブランド物で身を固めていたとします。

それが、全然似合ってなかったとします。

その女の子に馴染んでいなくて、

ブランド物の服やアクセサリーが浮いちゃってるとします。

世の中には、若かろうと、幼かろうと、

ブランド物を自然に着こなす人たちもいるでしょうが、

ここでは、ごく普通の女子高生という設定です。

 

もし、そういう子が目の前にいたら、

「そんな高価なものを身に付けるよりは、

その子の年相応の服を着て、

その子の年相応のアクセサリーを付けてる方が

可愛いだろうに」

って私は感じる。

 

おしゃれをする気がなくて、

適当なものを着て、

なんだか冴えなくなってる子とは違って、

自分をより良く見せよう、

おしゃれして素敵になろう!

って頑張った結果、

逆の方に行ってしまったらとても残念。

 

「高価で、

良いものを見に付ければ、

自分がより良く見える」

という誤解。

 

「安かろうと、

その人に似あっているものを身に付けるのが、

その人がより良く見えるのに」

と私は思う。

 

 

これ、振付も同じ。

 

「難しい振付、

カッコいい振付を踊れば、

自分がより良く見える」

と思ってしまう誤解。

 

本当は、

「難易度を下げてでも、

その人の分相応なものを踊ってる方が、

その人がより良く見えるのに」

と私は思う。

 

難しい振付、

カッコいい振付を踊れば

誰でも上手く見える訳じゃない。

その難しい振付、カッコいい振付を、

軽々とこなせる余裕のある人が踊ると素敵なだけ。

その難しい振付を、

そのカッコいい振付を、

一杯いっぱいで何とかこなすレベルの人が踊ると、

「うわ、随分と大変そうだな。。。

随分と難しいことやってるんだな」

と思われるだけで、決してカッコいいとは思われない。

「振付、カッコいいね!」

と言われるだけで、

踊ってる本人がカッコいいとは思われない。

 

その客観性を踊り手は持たねばならない。

それはセルフプロデュースってものだ。

 

でも、生徒はそういう目を持っていない。

先生に、

「これを踊りなさい」

と与えられた振付を踊るだけだ。

だから、先生が生徒をプロデュースする目を

持たなければならない。

この振付はカッコいいけど、

これをこの生徒に踊らせたら、

この人の苦手な面が露呈し、

「私、これが苦手で上手くできません」

て舞台で披露するだけで逆効果だとしたら、

その振付を舞台で踊らせてはいけない。

あたふたして、みっともないだけ。

振付は諸刃の剣だ。

余裕でこなせる難易度の振りなら上手く見える。

かろうじて、何とか立ってるってレベルなら、

そのカッコいい振りは踊り手を刺し殺す。

そのカッコいい振付が生徒を刺し殺しているのに、

その振付を生徒に踊らせるとしたら、

それは生徒の為じゃない。

先生の自己満足、もしくは怠慢。

生徒の方に目が向いていない。

生徒に似合うものを踊らせ、プロデュースし、

その人をより良く見せようという愛情がない。

 

 

舞台までまだ半年以上もある場合は、

その難しい振付をやらせるのは悪いことじゃない。

できないことをやらせることによって、

できることが徐々に増えて行くから。

でも、もし舞台まで後2ヶ月を切っているとしたら、

その難しい振付を舞台で踊らせる為に、

その人のレベルをアップさせて・・・・

なんて悠長なことを言ってられない。

その時点でその人ができることをやらせ、

それを踊り込みさせた方が、舞台で映えるし、いい踊りをする。

振付をし、舞台で生徒を踊らせる指導者は

そこを見誤らないようにしなきゃならない。

 

生徒は与えられた振付を踊れるようにならず、

できるものに変えられると悔しい。

自分の頑張りが足りなかったと認定されるから

自分で自分が悔しくなる。

「頑張るから、この振りを変えないで。

このまま踊らせて」

となる。

本番まで2ヶ月を切ったらダメです。

それまでの間に、

頑張る時間はいくらでもあったのにやらなかった人が、

残りの2ヶ月でやれるって保証はどこにもない。

 

 

良い舞台を作りたい。

その為には、生徒たちに素敵に踊ってもらいたい。

 

でも、それは、

難しい振付を何とか踊ってるだけで、

ちっとも良くないって踊りじゃない。

できないことを無理無理やって、

みっともない姿をさらして踊ることじゃない。

捕らえられた宇宙人のように

無表情に固まった状態で踊ることじゃない。

 

できることを、

きちんと丁寧に踊り込み、

本番の舞台で不安なく、

伸び伸びと素敵に見えるように踊って欲しい。

 

 

2月18日の舞台まであと2ヶ月というのは、

12月18日。

 

みっともない姿をさらすことになる振付で

踊ることができるタイムリミットは、

12月18日です。

それ以降は、そんな振りは変更します。

 

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