来年2月の公演 女の敵・秀吉をドミンゴが演じます

(03)舞踊団公演

豊臣秀吉は農民の出だったそうです。

そこから、織田信長に取り入って、

出世街道をひた走り、天下の太閤様にまで上り詰める。

どうやら秀吉は人好きするところがあったらしく、

「なんだか憎めない、面白い奴」

って周りの人は思った。

本当にそういう憎めない性質だったのか、

はたまた、

人の心情を読み、

その人たちが喜ぶような振る舞いができるような、

機転の利く性格だったのか。

いずれにせよ、出自の身分は低いけど、

機転が利くという意味で賢かったから出世した。

要は勘が良かったんだと思う。

 

 

秀吉は、細見の小男だったらしい。

にも拘わらず、来年2月の公演では、

大柄のドミンゴが秀吉役を演じます。

理由は、

人好きする、

なんだか憎めない、

面白い奴

ってキャラがぴったりだと思ったから。

 

このドミンゴ、

フラメンコを始めたのは確か2015年。

「やけに明るい人が入った」

と噂になりました。

「何かメンタル強そうだし、

さっさと舞台に上げて、踊れるようにしよう」

と思って、

「あなたなら大丈夫!」

と半ば騙し、

「踊れるようになったらモテるよ!」

と目の前に人参をちらつかせ、

「女は尊敬できない男のことは好きにならない。

踊りが好きな女は、踊りが上手い男を尊敬する。

いくら女の多いお稽古を始め、女に囲まれてても、

下手くそは相手にされない。

上手くならなきゃダメ!」

と変な説得の仕方をし、

なんと9ヵ月でソロを踊らせました。

それも、ファンダンゴとかガロティンとか可愛いもんじゃなく、

いきなりソレポル(^^;)

でも、その最初の踊り、驚くことに結構良かった。

テクニカのレベルが高い筈はないのだけど、客席、大ウケ。

「ああ、この人、何か持ってる人なんだな」

って思ったのでした。

舞台の上は、上手いから印象に残るとは限らない。

上手いとかそんなの関係なく、

ドミンゴは人の目を惹きつける人なんだと思いました。

 

神様、

こんなにも濃いキャラの逸材を

私の手元によくぞ送り届けて下さった!

どうもありがとう!!!

って気持ちでいっぱいです。

この濃いキャラを舞台で活かしたい。

 

最初は、

「信長でもいいかな」

って思いました。

ドミンゴ、明るい笑顔とは裏腹に、

絶対にキチガイな部分も持ってると思うので、

うつけものと呼ばれた信長も合うと思う。

けど、今信長やらせるのはまだ勿体ない。

もうちと上手くなってからでいい。

「とりあえず、秀吉かな」

ってことで秀吉にしました。

 

秀吉は、人たらしが上手く、

何となく周囲から好かれて頂上まで上り詰めますが、

絶対に悪い奴だったと思う。

何も持たなかった秀吉を引っ張り上げてくれた信長は、

秀吉にとっては超恩人。

普通の感覚なら、その恩人が亡くなった後でも、

その人の大事にしていた人たちのことは大事にする。

ところが秀吉は、

信長と近い血縁関係にあった姫たちを、

嫌がるのも無視して、

脅してでも、

弱みに付け込んででも、

自分の側室にした。

茶々なんて、自分の親や兄弟を秀吉に殺された上、

まだ自分がティーンエージャーの時に

既に50だったチビでカッコよくもない秀吉の、

それも、自分の叔父の部下だった、

それも、農民出の秀吉の側室にさせられてる。

気の毒でしょうがない。

絶対に嫌だったと思う。

「キモイから触らないで」

って思ってたのは間違いない。

「恩人の大事な姪御さんだから、

父のような想いで温かく見守ろう」

なんて、善人の心は秀吉になかった。

 

それにしても秀吉、

なんで、そこまで嫌われ、

嫌がられても茶々を側室にしたのだろう。

恋愛結婚で結ばれ、秀吉の出世を心から願い、

支えてくれる寧々という妻がいたのにも関わらず、

何もそんな自分を嫌ってる女を妻にしないでも良かろうに・・・

と思ってしまう。

自分のことを好きでもない人と夫婦になって、

何が楽しいんだろう?

男の考えることは良く分からない。

ただ好きという気持ちだけだったのだろうか?

好きというよりスケベ心・・・?!。

 

でも、もし、茶々を自分の女にしたい・・・

というだけの想いで、彼女を無理やり側室にした結果が、

豊臣家滅亡への始まりだったとしたら、

人の心理を読み、

人の心を操り、

ものすごく非情なこともできた

超悪人のクレバー秀吉も、

ただの馬鹿な男なんだなって思うのでした。

 

舞台の上では秀吉、

正室、側室に囲まれ踊ります。

秀吉が元気な時は、

愛想を振りまき、寵愛を得ようとした妻たちが、

秀吉が病にふらつき始めると、

「皆、実はあんたのこと大嫌い

てめーなんか、さっさと死んじまえ」

ときつく当たり始めます。

そんな中、秀吉ドミンゴは舞台に倒れていきます。

 

 

思い切りのたうち回って逝きます!」

とドミンゴが申してました。

 

 

女の敵・秀吉。

 

ドミンゴが、いかに演じてくれるのか、楽しみです。

 

 

 

 

2016年のドミンゴ

 

2017年のドミンゴ

 

「秀吉役をやるからには、

背を縮めるのは無理でも、少し痩せて」

と言ってたのに、

ドンドン逞しくなるドミンゴ。。。。

 

小柄でやせ型の猿のような秀吉像とは大きくかけ離れますが、

キャラ的にはぴったりだと思います。

 

興味を持って頂けましたら、是非観にいらして下さい。

 

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