Joaquín Grilo & Antonio Canales XXI Festival de Jerez
へレス・フェスティバル2日目のビジャマルタ公演は、ホアキン・グリロとアントニオ・カナーレスでした。
2人とも偉大なるバイラオールです。
「一度に2人楽しめるからお得♡」
って考えもあるでしょうが、私としては、
「何で、無駄にすごい2人を使うんだ?」
と思ってしまいました。
ホアキン・グリロはホアキン・グリロの公演、アントニオ・カナーレスはアントニオ・カナーレスの公演を観たかった。
2人の共演で、良いところを引き出そうとしたのかもしれないのですが、大雑把に言ったら、『コンパス系』ってことで同じタイプの2人。。。
良さが引き立つのは、違ったタイプの者同士なんじゃなかろうか・・・。
例えば、ホアキン・グリロなら、相手役にはイサベル・バジョンとかが似合うんじゃないかしら。
カナーレスも、滅茶苦茶身体の動くバイラリンと共演して、
「あそこまで身体が使える人ですら、カナーレスを前にすると、あのコンパス感、あの表現力には太刀打ちできないんだなぁ」
と思わせるからこそ、カナーレスのすごさが引き立つ。
ビフテキには、白いご飯、サラダ、デザートが一緒だといい。
ビフテキとビフテキじゃ、胃もたれするわ・・・。
この公演は、フェスティバル2日目だったので、この公演を観ている時には気付かなかった・・・というか、当たり前ってことで、あまり気にも留めなかったのですが、その後、数々の公演を観て行き、2人のサパテアードの音がものすごく綺麗だってことに気付きました。
コーンと、乾いた綺麗な音で、ものすごく耳心地が良かった。
翌日、翌々日には、ラ・モネタ(女)、パトリシア・ゲレーロ(女)が登場するのですが、物凄く身体も動き、速い足ができる2人ですが、カナーレス、グリロのような音は出ていなかった。
「あれ?サパテアードの音が、少しベタっとしてる・・・」
と思ったのを覚えています。
その代り、モネタ、パトリシアには、カナーレス、グリロにはない、別の見せ方がありました。
カナーレス、グリロは、サパテアードの音色を聞かせる、パーカショニストとしての役割の割合が高い踊り手なんだなって思いました。
男性バイラオールの持ち味ですね。
女性バイラオーラには、お客さんを目で楽しませる要素があるけど、男性は耳で楽しませる。
そういう意味では、やっぱり秀でた2人。
ただ、私は、耳で楽しむ系の踊りばかりだと、1時間半~2時間の公演は飽きてしまいます。
目で楽しめる要素がもう少しあったら良かったのに・・・。
で、そこで、
「そうか、私は、男性舞踊手しか出ない公演ってのは、好みではないのか・・・」
と、ふと気付いたのでした。
とは言っても、ド・ストライクのフラメンコのお2人。
他と比べれば、他にもっと好みの公演があったってだけで、決して嫌いではありませんでした。
充分、楽しめました。
コメントを残す