お客様に喜びをお届けしましょう!
ファン
お客さんには2タイプあるように思います。
質の高い商品を買いに来るお客さん
商品を作った人のことが好きでその商品を買いに来るお客さん
この2つです。
後者のお客さんは俗に言う『ファン』です。
私たちの舞台を観に来てくださるお客様の殆どは、舞台の質の高さを一番の目的としていらっしゃる方は多くはありません。
それならば、フラメンコなんだからスペイン人が踊ってるのを見に行きたいって思う。
でも、スペイン人の舞台以外でもお客さんは沢山入ります。
それは、その舞台に出ている出演者のことが好きで応援したいと思ってきてくださいます。
いわば、『ファン』です。
例え、それがご家族であろうと、ご友人であろうと、同じ職場の方々であろうと、この一瞬は、私たちのファンとなってくださいます。
作り手が見えない商品とは違う
芸の世界というのは面白いもので、質が高ければそれを買う人が多いかというと、そうとも限らない。
逆に、質が低ければそれを買う人が少ないかというと、そうとも限らない。
スーパーやコンビニで売っている商品は、より美味しいもの、より質の高いものをお客さんは買おうとします。
だから、作り手はより質の高いものを作ろうと日夜商品開発します。
でも、芸の世界は違う。
質だけじゃない。
芸能界で見ると良く分かります。
パフォーマンスが優れているからと言って、その人のコンサートを大きい会場で開催し、満席にできるとは限らない。
上手いだけじゃダメってこと。
逆に、歌も上手くない、踊りも上手くない、芝居も上手くない、でもファンがいっぱいいるって人たちはこの世に沢山います。
その人たちは、質以外のところに売りがある。
但し、そうは言っても、「ある一定レベルはクリアしている」という条件はあります。
だから、質の向上を目指す必要がないとは言ってないんですね。
質の向上だけじゃ足りなくて、質の向上以外にも目を向けましょうと言っています。
舞台に立つ人と観客席にいる人
生徒さんたちの殆どは、年に1回か2回くらいしか舞台に出る機会はないかと思います。
それよりも、観客席で見ている方が多いかもしれません。
だから、自分たちは舞台人ではないと、芸の世界の人間ではないと思ってしまうかもしれません。
でも、昨日今日、お稽古を始めたばかりの生徒さんであっても、舞台に立つ日は少なくとも芸の世界の人間です。
あなたたちは、お教室にお月謝を払い、レッスンを受けに通ってくるお客様ではなく、芸の世界の人間になります。
いくら観客席にいる頻度の方が高かろうと、観客席にいらっしゃるお客様と同じ心構えでいるのはちょっと違うんですね。
私たちはお客様に愛をお届けする為に舞台に立ちます。
発表会は、あなたたちの練習の成果を報告する会ではなく、あなたたちのファンに、あなたたちの素敵な姿をお見せし、その一瞬でも、「嬉しいな」「楽しいな」「幸せだな」というふわっとした気分になっていただく為のものです。
この心構えがあると、自然と立ち振る舞いは変わるのではないかと思います。
そうしたら、観客席に届く何かが変わる。
そして、あなたのお隣のお仲間が連れてらしたお客様であっても、そのお仲間以外の出演者のこともご覧になります。
そして、何度も私たちの舞台に足を運んでいただいたりすると、ご自分のお目当てさん以外の生徒のことも覚え、
「〇〇さん、いつも変わらず素敵だね」「△△ちゃん、上手くなったねぇ~」
等と気に掛けてくださったりします。
それは、ある特定の生徒さんだけじゃなく、教室全体としてのファンとなってくだるということを意味します。
私たちの発表会や舞踊団公演は、そういう方々の応援によって支えられています。
なので、ご自分のお連れになったお客様以外にも、気持ちを向けて差し上げてくださいね。
考え方が変われば、自ずと行動は変わる。