【舞踊団公演】ソレア・白蓮の最初の結婚
白蓮は3回結婚をします。
最初の結婚は家柄重視で、相手は貴族でした。
昔の貴族というのは、自分で子育てをしないものなのでしょうか?
親元から離され、乳母に育ててもらってたようです。
白蓮も幼い頃は乳母の家に住み、その後、ある貴族の家に養女にやられます。
こういう話も、上流階級ではよくあったことのようです。
一般庶民からすると、随分と寂しいものだと思ってしまいます。
ただ、その価値観の中で育つと、そういうもんだと思ってしまうらしく、「可哀想に・・・」という感覚はなかったみたいです。
ただ、白蓮が養女にやられた理由というのが、年頃になったら、その家の息子と結婚させる為だったようで、でも、白蓮はその息子が大嫌いだったので、その息子と結婚させられると聞き、ものすごく抵抗しました。
しかしながら、当時の女性には選択権はなかったようで、家長である兄の言いつけ通り、その息子と結婚します。
なんと、白蓮15歳のことでした。
当時は数え年なので、今でいうところの14歳。中学2年生。
若い白蓮は、あっという間に妊娠します。
でも、貴族の慣わし通り、白蓮もその子のことを育てることはありませんでした。
なんだか、上流階級とは不憫なものですね。
そして、白蓮の最初の夫は、白蓮が他の男と話をしただけで暴力をふるったりと、かなり嫉妬深かったようです。
当然ながら、白蓮はその人のことを怖がります。
嫌いな人でも優しくされればほだされることもあるでしょうが、自分のことを愛してくれない女が自分の言うことを聞かないからと、男が女に暴力をふるえば、結果は火を見るよりも明らか。
そこに愛は生まれない。
白蓮は、最初の夫から逃げることを考えます。
実家に泣きつき、何とか離婚します。
当時は、女性が離婚すると、『出戻り』といわれ、家の恥という扱いを受けました。
ましてや、白蓮のように華族の家では対面を重んじますから、そう簡単には実家も受け入れてはくれなかったようです。
それでも、白蓮は離婚します。
私のイメージでは、当時の女性たちに
「自分で自分の人生を決める」
という選択肢は、あまりなかったように思います。
でも、やっぱり白蓮は、幼い頃から白蓮たる片鱗を見せます。
現代のように、女性が自力で生きれる時代にあっても、洗脳されてしまうのか、己の弱さからなのか、DV男から離れられない女はいますが、白蓮は、今よりも離婚が難しかった時代において、DV夫の言いなりにならず、「出戻り」「家の恥」と言われるのを覚悟の上で、離婚をし、実家に戻ります。
苦境を受け入れ続け、嘆くのではなく、自分で打破するべく行動をします。
白蓮は、とても強い人です。
私が思うに、白蓮が戦った相手は、DV夫ではない。
白蓮が戦ったのは、『世間の目』。
実体がなく、あるようでない、ないようである、世間の目。
そしてもう一つは、『自分』。
いつだって、戦う相手は自分。
「嫌だ、嫌だ」とモヤモヤを胸に抱えてたって、状況は変わらない。
黙ってて、誰かが察して、救いの手を差し伸べてくれるなんてことは、まず起らない。
自分から、「助けて」と発信する。
自分から、「逃げる」等の行動をする。
自分で行動しなければ、状況は変わらない。
でも、たいていの場合、勇気がなくて、現状打破の行動に出れない。
「夫が嫌だ。だから離婚したい!」
と言い出せば、周囲の人が大騒ぎするのは、白蓮にだって容易に想像できた。
それを考えると、うんざりした。
「今のままでは夫は嫌だけど、自分さえ我慢すればいいならば」
と何もしない選択肢を取りがち。
だって、そっちの方が楽だから。
勇気が要らないから。
でも、何もしないでいて、いいことは起こらない。
チャンスを見計らう為に、何もしないのはあり。それは待機。
でも、面倒だからやるのを先延ばしにするのは保留。
保留は、時間が経てば経つ程、状況は悪化させる。
幕が開いた時に、人生が終わりに差し掛かった頃の白蓮が舞台に立っていて、自分の人生を振り返ります。
まずは、最初の結婚。
「最初の結婚はひどかった。私は夫が大嫌いだった。嫉妬深いし、暴力をふるうし。
本当にあの結婚生活は地獄だった。
子供を婚家に残し、5年の結婚生活の末、私は実家に逃げ戻った。
まだ21だった。
人生はまだ始まったばかりだった」
この最初の結婚当時の白蓮の様子を、ソレアの音楽に乗せて表現します。
これだけの出来事があれば、
「ああ、あたしの人生、終わったな」
と思うようなことですが、まだまだ白蓮の人生は始まったばかりでした。
その後、どう舞台は展開していくのでしょうか。
乞うご期待。
さて、最初の結婚は、『幼かった』という印象を付けたかったので、
15歳から21歳の若き頃の白蓮は、私ではなく、若い子たちが務めます。
感染拡大防止の為、座席は半分に減らして上演致します。
今回は、配信は行いません。
チケット販売は、9月中頃を予定しております。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。